世界遺産大峰山の登山口付近に役行者の母を祀る「母公堂」があります。
母公堂の中央には役行者の母、「白専女(しらとうめ)」を祀り、左は役行者、
右に聖宝(東大寺の僧で醍醐寺を創建)をまつっています。
母が里人の出産の手助けをしたことから、子授け・安産に霊験があります。
役行者ってどんな人?
山奥深くまで分け入って修行し、その力によって自他の救済を目指そうとする山岳信仰・修験道を開祖したのが役行者です。
顎鬚をのばし、頭巾をかぶり高下駄を履いて、岩座に座っている姿がよく見受けられます。
役行者の前には二頭の鬼「前鬼」と「後鬼」がおり、この二人は夫婦です。
前鬼と後鬼が修行の邪魔をするので、呪術を使って鬼を捕まえ、自由を奪い術を使って大人しくさせると、やがて弟子となり、役行者の身辺警護役として、その後の山岳修行で活躍するようになったと伝えられています。
女人禁制とは
母公堂はもともと女人堂と言われており、以前は、母公堂の先へ女性は入れなかったと言われています。
現在は、2キロ先の「女人結界門」に移されています。
女人禁制とは不浄だから入山を禁じているのではなく、山は険しく体力のない女性には危険な場所なため、このような措置が取られています。
以上が母公堂になります。奈良には役行者を祀るお寺が多い中、役行者のルーツの母を祀るお寺に巡り合えたことは、感慨深いものになりました。
このあたりは、神聖な空気が漂っており、一見の価値ありです。